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【日本】サネカズラの華麗な七変化
はじまりは藪の中で これなんだろう?悪魔の実? たまたま実家に長期帰省中だった2021年秋のこと。世の中はまだコロナ禍にあり、実家周辺の草花を観察しながら歩くのがささやかな楽しみだったある日、藪の中になんとも奇妙な実を見つけた。 メタリックとい... -
【インド】クール・ワールッダルの記憶と記録
結婚や引っ越しはおあずけ月間 もしマドラスで7〜8月に結婚や引っ越しを考えるなら、少々注意が必要だ。 というのも、タミル暦4番目の月であるAadi(アーディ)(7月中旬〜8月中旬)は、マールガリ月と同じように、神の月とされ、結婚式、新作タミル映画の... -
【インド】邪気を払って福を呼ぶ、ポンガルの花束
華やかな祭りの小さな楽しみ 今年もまた逢えたね。と、白い小花に小声で話しかけたくなる日がある。毎年1月中旬、インド暦※上の冬至、太陽が黄道十二宮の磨羯宮(やぎ座に相当)に移動するタイミング(マカラ・サンクラーンティ/Makar Sankranti)で、春の... -
【インド】【日本】カリーぐるぐるの道草 トマトが「お化け」と呼ばれていた頃 カーマスートラ編
ボロボロになったカーマスートラとナス属の植物 "nightshade"って、確かカーマスートラに出てくるんじゃなかったっけ。 タミル語で「マナタッカーリ」と呼ばれる「イヌホオズキ」の英語名が "Black Nightshade"と知った時に、ふと昔の記憶が蘇った。そもそ... -
【インド】カリーぐるぐるの道草 トマトが「お化け」と呼ばれていた頃
お化けや水牛がくっつくおなじみ野菜 お化けタッカーリ、水牛タッカーリ……何これ? 1834年にフランス人宣教師&植物学者Johan Peter Rottler博士がマドラスで編集・出版したタミル語・英語辞典 "A Dictionary of the Tamil and English Languages"をパ... -
【インド】カリーぐるぐるの道 序章 19世紀のタミル料理ファイブスター
ロットラー先生のタミル語・英語辞典 タマリンド、黒胡椒、塩、マスタードシード、クミンを並べてみたら、当たり前だけど、ものすごく地味だった。白から黒へのナチュラルなグラディエーションに、枯れた美しさが感じられるとも言えるけれど。これは、1834... -
【インド】いろいろあるインドの暦② パールスィー暦と太陽のコーラム
限りなく太陽に近づきたい暦 もういっそ、太陽になってしまいたい。願い続けた男の顔は、ある朝起きたら太陽になっていた(名づけて「花を持つ太陽男」)。なんてストーリーが思い浮かんできそうな奇妙な絵は、約220年前、ゾロアスター教の錬金術を「想像... -
いろいろあるインドの暦①-イスラーム暦と断食粥
月に直結した暦と、太陽に限りなく近づきたい暦 2021年4月のインドは、暦上重要なタイミングが重なったちょっと珍しい月だった。タミル暦をはじめとした恒星年太陽暦の新年(4/13)、テルグ暦など新月基準のアマーンタ暦法の新年(4/12)、そしてイスラーム(... -
ボイシャク25とタゴールのパフスリーブ
「ボイシャク25」とは、今インドで話題のグループの名前などではない。またタゴールはパフスリーブを着たりはしなかった(と思う)。 今年はタゴール生誕160年 昨日(5月9日)がラビンドラナート・タゴール(1861年5月7日〜1941年8月7日)の誕生日だと、前日... -
タミル新年と宙の乙女〜タミル暦その③〜
気がつかないくらいの速度で動いているタミル暦 今年(2021年)のタミル新年は4月14日。でも1000年ほど前は、3月の終わりだったらしい。どういうことかというと、タミル暦は、1000年に半月(約15日)という、人間の寿命では実感できないくらいゆっくりした...