中秋月餅手作りメモ2024 その①

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中秋月餅の思い出話と2023年の失敗

昔、「月餅」といえば新宿中村屋だった。
中にナッツがいろいろ入っていて、
ずっしり重い食べごたえだったのを覚えている。

20年前、シドニーに留学中の時のこと、
知人からもらって初めて食べたのが
「中秋月餅」といわれるもの。
中村屋の味を想像していたら、全く別物だった。

真ん中に、ほのかに塩味の卵黄、
ねっとりした蓮の実餡がそれを包みこみ、
しっとりと柔らかな生地が全体をまとめるという
これまで食べたことがない方向性のバランスと味わいに
衝撃を受けながら、一口で恋に落ちた。

以降、中秋月餅を食べないと!と騒ぎはじめたというわけだ。
毎年の恒例行事として食べ続けてきたのだけど、
昨年、生の蓮の実をいただいたのをきっかけに、
憧れの蓮の実餡を作って、
そのままの勢いで中秋月餅にも初挑戦。

が、全然うまくいかなかった。

生地については転化糖から手作りし、
塩卵も鶏卵の短時間バージョンとはいえ、
果敢に挑戦してみた

だけど、餡も生地も柔らかすぎて、成形、型抜きが難しく、
焼いたら生地がダレてしまった上に、
肝心の塩卵は溶けてしまった!

上の写真はかろうじて卵黄の形が残ったもの。
三角に変形してしまったけれど。

2024年、オーストラリアで中秋月餅に再挑戦

そして迎えた2024年。

1年経つと、既にいろいろ忘れており、
はりきって揃えていた月餅の型も、
何グラム用のものだったかさえ覚えてなかったので、
今後に向けて覚え書きを残しておくことにした。

今年の目標はこちら。ごく控えめに設定。

2024年の目標
成形しやすい&形を保てる月餅を作れればよし


まずはスタート地点に立ちたい!
というわけで、
材料にはあまりこだわらず、
とにかく無事に月餅の形になることを目標にした。

作ったのは、蓮の実餡 & アヒルの塩卵と、ローストくるみ入り小豆餡の2種。
生の蓮の実は手に入らなかったので、
今年は乾燥蓮の実を一晩水で戻して使用。
塩卵は、乾燥蓮の実を購入した近所のアジアングロッサリーで
豪州産生塩卵(アヒル)を見つけたのでそれを使ってみた。

これがなくてははじまらない、月餅の型

まずは型。
憧れは木型だけど、初心者なのでとりあえずプラスチック製をチョイス。
EtsyとAmazonで購入。

右の蓮の形の型が75g。
左の錠前型(如意鎖型/Ruyi Lock)がそれより一回り大きくて、上の獅子型がそれより一回り小さい、
と思い込んでたけど、どうやら全て75gみたい(いや違うのかな)。

グラム数はあくまで目安で、75gでギュウギュウになるというわけではなく、
これより大きくも小さくも作れる。

ちなみに、75gは、塩卵1個入りの月餅にぴったりなサイズ。
たとえばこんな感じ↓(リンクをクリックするとAmazonの商品ページに飛びます)

月餅型 75g かわいい花の形をしたプラスチック DIY 月餅型
https://amzn.to/4f9NqZc

中秋月餅のレシピ① 生地づくり

月餅の作り方が載っている本を数冊持っているけれど、
動画の方が、細かい部分まで確認できるので、
レシピはYoutubeで探したものを参考にした。

まずは生地づくり。
昨年一番苦労したのは生地で、とにかく柔らかすぎて扱いにくかった。

今年参考にしたのは↓の動画。

中秋月饼简单做法 | Red Bean Single Yolk Mooncake | Chinese Moon Cake Recipe

分量はこちら↓

◎ゴールデンシロップ(転化糖):70g
◎植物油:30ml
◎鹹水:大さじ1
◎小麦粉 : 110g

ゴールデンシロップがなければ蜂蜜で代用可。ただ、生地の色はちょっと薄くなる。
植物油はピーナッツオイルがいいらしいけれど、
インドのセサミオイル(太白ごま油)で問題なかった。
鹹水(アルカリ水)の作り方はこちらを参考にした。

拍子抜けするくらい、簡単に扱いやすい生地ができた。
カスタードパウダーを入れたりする生地も見かけたので、
いつか試してみたい。

中秋月餅のレシピ② 蓮の実餡づくり

中秋月餅の餡はさまざまだけど、
私が一番好きなのは、やっぱり蓮の実餡。

乾燥蓮の実を一晩水につけて戻したところ↓。


昨年は(途中で練るのに疲れてしまって)柔らかめに仕上げたら、
うまく成形できなかったので、
今年は時間をかけて練って堅めに仕上げた。

参考にしたレシピはこちら↓

蓮蓉餡(蓮の実のあん) by minfannoteさん
https://cookpad.com/jp/recipes/17997164

もう1種の餡、ロースト胡桃入り小豆餡は、
オイルを入れ、かために仕上げた中華式こし餡に、
オーブンで軽くローストした胡桃を砕いてミックスした。
胡桃は少量でも香りがふんわり広がって華やかさアップ。

中秋月餅のレシピ③ 塩卵の扱い

私がここまで中秋月餅が好きなのは、
なんといっても、塩卵(鹹蛋/咸蛋:シエンタン) が入ってるから。

苦手な人も一定数いるだろうけれど、
ねっとり甘い蓮の実餡に、ほんのりしょっぱい卵黄は
私にとっては、スイーツ界最強のゴールデンコンビなのだ。

数日で作れる「なんちゃって塩漬け卵黄」は
月餅づくりには向かないことは去年の経験からわかった。

ということで近所のアジアングロッサリーで買ってみたのが、
生のアヒルの塩卵。
中秋月餅が人気の
カブラマッタの中華菓子屋で聞き込みして
その存在を知った。

大きさは鶏卵より一回り大きい(写真右がアヒルの塩卵)。わかりずらいかな?
殻の色は白もしくは、ほんのり青みがかっている。

白身は固まってないけれど、黄身はこんな風に固まっている。
形がいびつだけど、ま、いっか。

理想の塩卵の状態はオーブンで温め直したらトロッとなるような状態。
市販の卵黄2個入り中秋月餅の断面。
見事です。

さて、生の塩卵をどう扱うか。
さまざまなレシピを見て、今回試した方法は3つ。

1. 植物油をまぶして、160度のオーブンで6分焼く

蓮の実餡と卵黄がほぼ同じ色でわからない!しかもなんか中央に白っぽい部分が。

2. 蒸留酒にくぐらせて、10分蒸す

なんか三日月みたいになってしまった!

上の二つの方法の問題は、色が月のような黄色にならないこと。
なぜだ?

そこで試してみたのが

3. 下処理せず、生の状態で月餅に入れて焼く

うまくいくと思ったのだけど、結果は真逆だった。
中央に白く生焼け部分が残ってしまった。

これはまずいと調べてみると、
塩卵の扱い方を詳しく書いているブログを発見。

◎Lotus Mooncakes with Salted Egg Yolks by The Woks of Life
https://thewoksoflife.com/lotus-mooncakes-egg-yolks/

生でそのまま使用するのでなく、白酒にくぐらせて、軽く焼いて処理する方法をすすめている。

ということは、これはどう処理でなく卵自体の質の問題か?!

上の見事な塩卵2個入り月餅、
塩卵はメルボルンから取り寄せているという記事を読んだ。
調べてみると、たとえばメルボルン近郊にはこんな美しい塩卵が!
色も形も理想的。

◎Aurum Poultry Co
https://aurumpoultryco.au/product/fresh-salted-duck-eggs/

塩卵の扱いについては、今後もいろいろ検討していきたい。

長くなったので、焼き方については次の記事で詳しく紹介する。

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