2020年– date –
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いつも心にマドラスを
マドラスガールを遠く離れた場所に連れ出すことはできても、彼女の心からマドラスを追い出すことはできやしない。 北インドに嫁いだマドラスガールが、そう言いながらこのペンダントを紹介していたから、思わず私も手に入れてしまった。イギリス領インド帝... -
【スリランカ】パリで見たジャフナ・タミルの乙女の肖像
花の都の石畳とサリー もう10年近く前のこと、オランダ滞在中にパリまで足を延ばし、サンジェルマン・デ・プレを歩いていた時、画廊のショーウィンドウに飾られた1枚の絵が目に留まった。サリー姿の乙女の横顔。少し緊張したような表情に、きっちりと巻かれ... -
料理通信 2020年11・12月合併号
『料理通信』2020年11・12月合併号に記事を書きました。「山グルメ、庭グルメ」にぜひ取り入れてほしい、インドのアウトドアクッキングについて書いています。個人的には、家庭ではもちろん、インドの社食や学食、屋台の定番、簡単・楽しい・意外においしい ... -
【インド】テンプルボーダーあるいはコロマンデル海岸の記憶
おむすび?動物の角?ピラミッド? もう10年近く前のこと。 南インドタミル・ナードゥ州のチェッティナードゥ地方でかつて作られていた伝統的なデザインを今に再現したという木綿のサーリー(上の写真)を見ていた時に、三角形の模様がぽこぽこと連なってい... -
【オランダ】聖母マリアの島のレモンカードと世にも美しい巣箱
瓶詰めのジャケ買いは楽しい それが言葉のわからない異国ならばなおさらだ。 2013年に半年ほど滞在したオランダで出逢ったのが、Heerlijkheid Mariënwaerdtのレモンカード(下の写真はレモンカードでなくオレンジカードで、オランダ国王即位記念のオランダ... -
タミルの甘いおにぎり、ピディ
マドラスにコルカッタイ専門店がオープン ガネーシャ神の好物、米粉を練った生地を蒸した菓子コルカッタイ(モーダカ)について前回書いた。ガネーシャ神の誕生を祝うGanesh Chaturthiの時期以外は、料理店や菓子店であまり見かけることがなく、コルカッタ... -
大きな神様の小さな好物
ヒンドゥーの神様はヴァーハナ(乗り物)と呼ばれる騎獣(鳥や想像上の生き物を含む)を従えている。象の頭のガネーシャ神のヴァーハナは、小さなトガリネズミのムーシカ。そしていつも左手(手=ハスタ)に持っているのが、小さなお団子、コルカッタイ(モ... -
消えゆく葉包みテンプルフード
お参りのあとのお楽しみは... 葉っぱで巻いたり包んだりした食べ物が好きだ。素朴で風情のある見た目と実用美。手の平でころんとする収まり具合、開ける喜びとわくわく感もたまらない。そして、包まれた料理の形もまた味わいの一つだ、と思う。マドラスで... -
ココナッツがココアナッツだった頃──現在
【回帰】2020年のココアナッツで、どうだ 勘違いが一般化し、2世紀にわたって“Cocoanut"と綴られてきた「ココナッツ」の話を書いてきた。ココナッツがココアナッツだった頃──その①ココナッツがココアナッツだった頃──その②ココナッツがココアナッツだった... -
ココナッツがココアナッツだった頃──その③
【ぼやき】あのさ、とにかく、紛らわしいんだよ その昔、一般的だった「ココアナッツ」というスペルは、どうやら勘違いが発端だったらしいという話を書いてきた。ココナッツがココアナッツだった頃──その①ココナッツがココアナッツだった頃──その②でも実は...
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