2024年の焼き方目標はこれだ!
中秋月餅手作りメモ2024 その①で紹介した
生地と餡のレシピ、塩卵の処理に続き、
いよいよメインイベントの「焼き」について書いておきたい。
結論から言ってしまうと、
塩卵の処理と同じく、まだまだ模索中。
だけど、好みの方向性というか大まかな目標は決まってきた。
その1 とにかく、模様をきれいに出す
その2 きれいな焼き色もやっぱりほしい
と書いてみたけれど、初心者の私には、とても難しい。
色艶を出す卵液を表面に塗ると、
きっちり焼けば焼くほど生地が膨らんで模様がぼやけてしまうのだ。
でも、きれいな焼き色に卵液は不可欠。
では、一体どうしたらいいのか。
1回目 適当に焼いてしまって大失敗
まず、適当に焼いてしまった失敗例から。
左は焼く前の状態、右が焼いた後。
生地がふくらみすぎて模様がつぶれているのがわかる。特に左手前。
そもそも、型が何グラム用だったかも忘れていたので、
適当に生地をまるめたら大きすぎて、型からはみ出した。
2回目 低温で丁寧&じっくり焼いてみた
これはダメだと作戦を練って、試したのがこちらのレシピ。
このレシピは、他に比べて温度設定が低い。
焼き方のポイントは↓
1. 焼く前に生地を霧吹きで湿らせる
2. 160度で予熱、150度で10分焼く(焼き1回目)
3. トレイの奥と手前を入れ替えて、130度で10分焼く(焼き2回目)
4. 卵1個を溶いて濾し、卵液を刷毛につけすぎないように気をつけて塗る
5. 120度で3〜4分焼く(焼き3回目)
卵液の塗り方についてもう少し補足すると、まずは側面を下から上に向けて塗る。
そして、卵液をつけ直さず、残った液で上面の模様の盛り上がった部分のみに塗る。
模様のくぼみに液がたまらないように注意。
この通りに焼いてみたら、家のオーブンでは焼き色がつかなかった。
なので、最後にオーブントースターで少し焼いてみたら、今度は焦げてしまった。
焦げた上に、卵液を塗った部分の表面が割れてしまい、中秋節というより、ハロウィンっぽくなってしまった。
でも、生地が膨らまないように低温で焼いたので、模様はくっきりきれいに出た。
焼いている間に生地にもひび割れがあるように見えた。
動画では、温度が低いとそうなると説明されてたけれど、
ということは、やっぱりこの温度設定は家のオーブンでは低すぎるんだろうか。
3回目 高温で焼いたら模様が盛大につぶれた
次に、ある専門書を参考にして高温で焼いてみた。
焼き方のポイントは↓
1. 予熱して200度で5分焼く(焼き1回目)
2. 卵液を塗って200度で3分焼く(焼き2回目)
3. 再度卵液を塗って 180度で10〜14分焼く(焼き3回目)
スチームオーブンで焼くレシピだったけれど、
家のオーブンにはスチーム機能はないので、霧吹きを吹きかけて焼いた。
焼き3回目の途中で生地が膨らんで焦げてしまった。
月餅全体がかなり膨張して、模様がつぶれ気味なのがわかる。
作戦変更だ。
4回目 中温で焼いたらまあまあだったけど改善の余地あり
焼き4回目は、下の動画を参考にして、低温すぎず、高温すぎない中温で焼いてみた。
焼き方のポイントは↓。
1. 200度で5分焼く(焼き1回目)
2. 卵黄1個分と水大さじ1を合わせたものを側面と上面に塗る
3. 165度で5分焼く。2の卵液を側面と上面に再び塗る(焼き2回目)
4. 165度でさらに10分焼く(焼き3回目)
右は焼く前。左は焼き上がり。
焼き色はそこまでつかなったけれど、模様は割ときれいに保てている(細かい部分は少しつぶれてしまった)。
まだまだ完成形にはほど遠いけれど、今年の挑戦はこのあたりで置いて、来年に持ち越すことにした。
多分、オーブンから出して、少し冷ましながら焼き進めるといいのではないかと思っている。
実際、そういうレシピもある。
2025年に作りたい月餅
来年は卵液の塗り方にももう少しこだわりたい。
卵液を側面だけに塗るレシピと、上面にも塗るレシピがあるのはどういう理由なんだろうか?
卵液の効果については、こんな投稿を見つけた。
Mooncakes without egg wash and with egg wash | 24-hour oil recovery comparison
https://www.douguo.com/cookbook/3274341.html
↑の投稿に出てくる、「回油」は、
油分を生地に戻してしっとりさせる工程のこと。
月餅は焼き立てでなく、2日くらい置いてしっとりした頃に食べる。
ただ、今年作った生地は、指にくっつくくらいしっとりしてしまうので
多分これはこれで何か問題があるのだと思う。
回油で検索してみるとヒットしたのがこちら↓
What is “oil return”? The secret to delicious mooncakes!
https://www.hangheung.com.hk/blogs/2bakery/mooncake-oil-rest
ちなみに、私の理想はこんな月餅。
くっきり美しい模様、本物の満月のごときアヒルの塩漬け卵黄、
透明感のある蓮の実餡、
ふっくら張りのある生地は、ほろっと柔らかでしっとりしていて
側面と上面の対比もまた美しい。
豪州産の材料にこだわったSweet Lu(小鹿制甜)の月餅。
https://www.sweetlusydney.com.au/
さて、今年の中秋節はこんな感じで、志半ばで終了。
と思ったのだけど、
次の投稿で、豪州産塩卵についてもう少し書いておこうと思う。
また、パイ生地の月餅(螺旋酥)の楽しさと美しさとおいしさに目覚めてしまったので
そちらについても備忘録的に残しておく。
最後に、紹介しておきたいのが、多分今日本で一番詳しい点心の本↓
著者は辻調理師専門学校 中国料理主任教授。
月餅の作り方も満載でかなり勉強になる。(リンクをクリックするとAmazonの商品ページに飛びます)
◎ 新しい中国点心 -生地からわかる基本とバリエーション
吉岡 勝美 著 柴田書店 刊
https://amzn.to/483tK6O